メールを吸い込む社内ブラックホール
個一般的な企業は、いったいいくつのメールアドレスを社外に「公開」しているのだろうか。
会社パンフレットや企業サイトには定番の「インフォ(info@...)」や「Web マスター(webmaster@...)」をよく見かけるが、そのほかにも、事業紹介ページには「セールス(sales@...)」、広報ページには「ピーアール(pr@...)」といった使い分けを目にすることもある。
さらに部署単位で細分化している場合もあるし(例えばバイオ事業部であれば「バイオ(bio@...)」)、キャンペーン用や資料請求用にそれぞれ専用アドレスを設けていたりする。メールマガジン(メルマガ)を発行していれば、「ご意見お聞かせください」とまた別のアドレスが掲載されている。
とにかく、多くの企業は複数のメールアドレスを社外に公開しているということだ。
それでは、それらのアドレスに届いたメールは、社内の誰が受け取って、どのようなワークフローでどのような対応をしているか。
改めて見直してみると、意外と曖昧なことが少なくない。その結果として、公開アドレスに宛てて照会メールを送信しても、何の回答もないという現象が起きている。
意図的に回答しないというビジネス判断の場合を別にすれば、メールアドレスを公開しておきながら応対しないというのはあってはならないはず。それなのにこんな事態に陥るのは、公開メールアドレスの管理環境が整備されていないことに起因しているケースが多い。
話を聞いてみると、担当者がたったひとりで、しかも応対バックアップ体制なし、といった劣悪な管理環境だったりする。
成れの果ての最悪のケースだと、担当者の異動の際の引き継ぎモレで、公開アドレス宛てに届いたメール群が数か月間、誰の目に触れることもなく埋もれていた、というのもあった。
応対どころか、誰にも見られることなく闇に置き去りにされているメール群。言ってみれば会社の中にブラックホールができていて、社外から届いた照会メールはそこに吸い込まれていくようなものだ。
こんなことにならないためにも、いま一度、公開メールアドレスについて次の点を確認してみたい。
- すべての公開メールアドレスのリスト化
現時点で公開している分はもちろん、過去に公開したことのあるメールアドレスもリスト化したい。例え期間限定のメールアドレスだったとしても、ユーザーが同一の認識を持っているとは限らない。 - それぞれの公開メールアドレスの、責任者の明確化
どの公開メールアドレスを誰が担当しているのか、窓口を明確にしておくだけでも責任ある対応フローを組みやすい。 - 公開メールアドレスに届いたメールの対応フロー組み立て
公開アドレスに届いたメールを誰がどのような対応するのかの再確認をおこない(例えば×時間以内に初期対応メールを送信するなど)、文書化しておく。またブラックホール化を避けるためにも、常に複数の人間がチェックするようなしくみを組み立て、応対バックアップ体制も整える。これに加えて、どのような回答をしたのか、その内容を共有する構造も欲しい。
メールのブラックホールは、社内のごくわずかなコミュニケーションの欠如でも生まれてしまう。あなたの会社にはブラックホールは潜んでいないだろうか。(執筆:鶴本浩司 メールマーケティング専門コンサルタント)
